「働くことに、安心とやりがいを。」——JALカードが取り組む障がい者雇用の現場から(前編)

障がい者雇用が企業に求められる中、JALカードでは「適材適所」の考え方を軸に、個々の強みを活かした職場づくりを進めています。今回のインタビューでは、就労移行支援「FITIME」を経てJALカードに入社した髙野さん、受け入れ部署であるDX推進部の島村部長・桐生グループ長、そして障がい者雇用を推進する総合人財戦略部の皆さんにお話を伺いました。

それぞれの視点から見えてきたのは、障がい者雇用を「特別なこと」としてではなく、「一人の社会人として自然に受け入れる」姿勢。そして、働く人が安心して能力を発揮できる環境づくりへの真摯な取り組みです。

インタビュイープロフィール

DX推進部 業務サポートグループ 髙野 良太郎氏

FITIMEに通所したきっかけを教えてください

髙野氏:以前は一般企業で働いていましたが、うつ病を発症したことで退職しました。その後、就職活動を続けていたものの、安定して働き続けられるか不安があり、福祉的な支援を受けられないかとネットで調べていたところ、就労移行支援という制度を知りました。

主治医にも相談しながら、いくつかの事業所を見学しました。実際に足を運んでみると、それぞれ雰囲気が異なっていて、現場の空気感を確かめることができました。FITIMEは、デスクワーク中心で、実際の職場に近い雰囲気があり、好印象を持ちました。

FITIMEのどんな点が特に良かったですか?

髙野氏:「MWS(ムース)」という模擬業務のプログラムが印象的でした。他の事業所では講義形式が中心でしたが、FITIMEではスタッフの方を上司に見立てて、質問の練習をしたり、実際の職場を想定したやり取りができる環境が整っていました。

私は、わからないことを抱え込んでしまうタイプで、自分から質問するのが苦手です。だからこそ、そうした練習ができる環境は自分に合っていると感じました。

また、事業所の広さも魅力でした。他の事業所は手狭なところが多かったのですが、FITIMEは人数が多くても閉塞感がなく、のびのびと過ごせました。

そして、何よりも支援員の方が親身になって支援してくださる点です。気楽に相談できる人柄が1番で、自分として深刻に話していても柔らかく接してくださり、気がついたときには解決策を回答してくださっていて非常に助けられたのを覚えています。今日のインタビューもですが、担当支援員と話が出来るのが嬉しいです。

FITIME支援員との関係性についてどう思っていますか?

髙野氏:お会いしてから1年程経ちますが、当初から自分の話に対して具体的にアドバイスをしてくれていたのと褒めてくれることが多かったです。徐々に色々と自分の悩みを気さくに話せる関係性になって、今では相談相手としてFITIME支援員の力がかなり大きくて、色々な面で話を聞いてくださって助けられています。

就職してからも継続して色々と自分の悩みを吐き出せています。1番相談できる人なので感謝しています。俗に言う支援員と利用者の関係とは違い、親しい友人のような心地よい関係性です。

現在の職場ではどのように働いていますか?

髙野氏:入社してもうすぐ10カ月になります。フリーアドレスのため空いている席に座って、まずはメールの確認から始めます。複数のプロジェクトが同時に進行しており、定例会で進捗を確認することが多いです。会議は多い日で3件ほどあります。

在宅勤務も可能で、月に2~3回ほど取り入れています。通院にも理解があり、その日はフレックスタイムを活用し、早めに業務を終了させてもらっています。

フリーアドレスの職場環境はいかがですか?

髙野氏:とても働きやすいです。誰かと話したいときは近くに座り、集中したいときは壁際の席を選ぶなど、自分のスタイルに合わせて働けるのがありがたいです。

職場の雰囲気も穏やかで、忙しいときでも話しかけやすい空気があります。質問もしやすく、入社当初からその雰囲気は変わっていません。皆さん本当に優しくて、いつも助けられています。

DX部門での業務について教えてください

髙野氏:現在はDX部門に所属しており、他部署や外部ベンダーとのやり取りも多くあります。メールやZoomでの会議を通じて、必要な情報を交換しながらプロジェクトを進めています。前職でもIT関連の仕事をしていたので、これまでの経験を活かせる場面があると、やりがいを感じます。

障がい者雇用枠での就労は初めてとのことですが、いかがですか?

髙野氏:最初は「ちゃんと続けられるだろうか」「相談できる環境があるだろうか」と不安がありました。でも、今では本当に皆さんの支えがあって、安心して働けています。

わからないことは気軽に聞けますし、1on1の面談も定期的にあり、業務のことをざっくばらんに話せる場があります。人事の方も親身になって話を聞いてくださるので、不安を抱え込まずに済んでいます。

職場の雰囲気について教えてください

髙野氏:特別扱いされることはなく、他の社員と同じように業務の説明やフィードバックを受けています。指摘も普通にありますが、それが不快に感じることはなく、「次はこうしよう」と前向きに受け止められます。

一人の社会人として接してもらえていることが、働きやすさにつながっていると感じています。

今後の目標について教えてください。

髙野氏:これまで「長く働く」ということに自信が持てず、不安を感じることもありました。だからこそ、今後の目標としては、業務に必要な知識をしっかりと学び、それを自分の中に留めるだけでなく、他の人に説明できるようになること、そして実際の業務の中で活かしていくことを目指しています。

そうした積み重ねの中で、やりがいを見つけながら、長く働き続けられるようになりたいと思っています。もちろん、難しいことや壁にぶつかることもあると思いますが、そうしたときには一人で抱え込まず、誰かに相談して、解決策を一緒に探していく。そうした姿勢を大切にしながら、これからも前向きに取り組んでいきたいです。

髙野さんが語る職場での安心感ややりがいは、周囲の理解と支えがあってこそ。では、受け入れ側のDX推進部では、どのような思いで髙野さんを迎え入れたのでしょうか。次の記事では、島村部長と桐生グループ長にお話を伺いました。

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